
隠された性感帯を見つけるには
性感帯というのは人それぞれ。″誰もが絶対に感じる″というスポットはありません。もちろん、多くの人が感じやすい場所は存在します。試しに「性感帯」という語を辞書で調べると「刺激によって性欲や性感などが誘発される身体部分。性器・乳房など」と解説されているとおり、男性であればペニス、女性であればクリトリスや膣に代表される性器と、乳首はとても敏感です。
しかし″どんな触り方でも感じる″場所というわけではありません。気持ちよくなる場所を聞き出し、あるいは探り出し、さらに感じる触り方を模索する。これには、少なからずの根気と努力を必要としますが、パートナーかが快感に身をよじっている姿を目にすれば、その苦労も悦びに変わるでしよう。こうした努力を怠って、安易にメディアで紹介されている性感帯を信じるのは、考えものです。なかには「毛が生えているところはすべて」「粘膜はすべて」性感帯だと、まことしやかに紹介されているものもあります。毛の太さや濃さに違いはあるものの、体毛は全身の大部分を覆っています。触れ方次第では全身が性感帯になり得る、というのと同じだと解釈すれば、あながち間違いではないのかもしれませんが、これを曲解して頭皮やワキの下を刺激しても、反応がなかったり、くすぐったがられるだけで終わると思います。
粘膜が性感につながるという説では、眼球やロのなかもその例に挙げられています。その部分がもともと感じやすい人がいる可能性は、ゼロではありません。また、気持ちが高揚して全身が敏感になっていると、気持ちよくなってくるということも、考えられなくはないでしよう。とはいえ、これは極めてまれな嗜好の持ち主、シチュエーションでのみ成立すること。自分やパートナーがそれに当てはまるわけではないのに、やたらと眼球に触れたり、ロのなかを探られたりしても、不快に感じるばかりです。一度不快感を感じてしまうと、本来感じやすい場所を刺激したとしても、快感を得るまでに時間がかかります。隠された性感帯を見つけたいという気持ちは分かりますが、本末転倒に終わることを考えれば、無謀な挑戦はしないほうがいいでしょう。